唾液でHIVがうつらない理由
HIVは、血液、精液と先走り液(カウパー腺液)、膣分泌液、腸液、母乳を介して人から人へうつります。唾液はこの中に含まれていません。米国疾病予防管理センター(CDC)は、HIVは唾液ではうつらないとはっきり述べています。
そのため計算ツールでは、相手が誰であっても、相手のHIVの状態がどうであっても、キスをリスクなしとして扱います。
口を閉じたキス
リスクはありません。CDCは、口を閉じたキスでHIVがうつることはないとしています。軽いキス、ほおへのキス、唇へのキスは、ハグと同じ部類に入ります。
ディープキス(口を開けたキス)
ディープキスのリスクはほぼありません。CDCによると、2人とも口の中に傷があったり歯ぐきから出血していたりして、唾液ではなく血液が関わった場合に、口を開けたキスでHIVがうつったことがごくまれにあります。
具体的に考えると、いくつもの条件がすべてそろう必要があります。まず、相手がHIV陽性で、有効な治療を受けていない必要があります。さらに、相手の口の中に血液があり、あなたの口の中にも傷や出血がある必要があります。ふつうのキスは、唾液が多く交わるものであっても、これにはほど遠いものです。
直前に強く歯をみがいたりデンタルフロスを使ったりした場合や、口内炎がある場合でも、キスがリスクのある曝露に変わるわけではありません。キスだけでは、曝露後予防(PEP)を受ける理由にはなりません。
かみつき
CDCは、かみつきを無視できるほどのリスクとしています。かまれてHIVがうつるのはまれで、これまでの例では、血液や体液が傷のある皮膚、傷口、または粘膜に触れる必要がありました。皮膚が破れない程度のかみつきには、リスクはありません。
口の中に血液があった人に、出血するほど強くかまれた場合は、傷口を石けんと水で洗い、その日のうちに医療機関で相談してください。PEPが必要な場合は、72時間以内に始める必要があります。
つばを吐きかけられた場合
つばを吐きかけられても、HIVに感染するリスクはありません。唾液はウイルスをうつさないため、つばが目や口に入った場合でも同じです。
飲み物・食べ物・食器の共用
コップ、ストロー、フォークを共用したり、食べ物を一口分けたりしても、HIVはうつりません。食べ物が関わる例として記録されているのは、まれなケースだけです。HIV陽性の養育者の口の中に血液があり、それが赤ちゃんのために口でかみ砕いた食べ物に混ざって、赤ちゃんがそれを食べたというものです。これは、大人どうしで食事を分け合うときに起こることではありません。
キスと一緒にあった行為のリスク
キスのことが心配になるのは、ほかにも何かがあった場合が多いものです。それぞれを分けて考えてください。
- オーラルセックスのリスクは低いです。HIV陽性で治療を受けていない相手との場合、1回あたり0.01%(約10,000分の1)です。詳しくはオーラルセックスによるHIV感染リスクをご覧ください。
- コンドームなしの膣性交やアナルセックスは、リスクがより高くなります。HIV陽性で治療を受けていない相手との膣性交で挿入される側の場合、1回あたり0.08%(約1,200分の1)です。
- 目や口、新しい傷口に入った血液については、血液による曝露のページで説明しています。
今すべきこと
あったのがキスだけなら、ディープキスも含めて、急いですべきことはなく、PEPも必要ありません。HIV検査を一度も受けたことがない場合、CDCは、13〜64歳のすべての人が少なくとも1回はHIV検査を受けることを推奨しています。検査を受けることで、気持ちが落ち着くこともあります。
性行為もあり、それが過去72時間以内で、相手がHIV陽性か、HIVの状態がわからない場合は、今日中にPEPについて相談してください。PEPは24時間以内に始めると最も効果的で、28日間服用します。PEPの受け方
リスクがゼロだったのに心配が何度もよみがえる場合、そう感じているのはあなただけではありません。HIVへの不安と向き合うのページには具体的な対処法があり、リスクのない接触の一覧も気持ちを落ち着ける助けになるかもしれません。