挿入される側と挿入する側
米国疾病予防管理センター(CDC)によると、アナルセックスではどちらの側もHIVに感染する可能性があります。ただし、相手のペニスが直腸に入る挿入される側のほうが感染しやすくなります。HIV陽性で治療を受けていない相手との1回あたりの推定値は次のとおりです。
- アナルセックスで挿入される側:1.4%(約72分の1)
- アナルセックスで挿入する側:0.11%(約910分の1)
比較として、膣性交で挿入される側は1回あたり0.08%(約1,200分の1)です。これらは平均値です。初めての行為でHIVがうつることもあれば、何度行為をしてもうつらないこともあります。
男性同士の場合
男性同士の性行為で相手のHIVの状態がわからない場合、推定値を主に左右するのは、男性と性行為をする男性の間でのHIV陽性率です。国連合同エイズ計画(UNAIDS)の推定では、ゲイ男性やそのほかの男性と性行為をする男性は、一般の人々に比べてHIVに感染する可能性が約23倍高くなります。計算ツールは、男性同士の性行為にはこの数値を自動的に使います。
HIV陽性かどうかわからない男性と、コンドームなしで1回行為をした場合は次のとおりです。
- 挿入される側、米国:0.05%(約2,000分の1)
- 挿入する側、米国:0.004%(約25,000分の1)
- 挿入される側、英国:0.01%(約9,800分の1)
包皮切除(割礼)は、膣性交で男性がHIVに感染するリスクを下げます。しかしコクランのレビューでは、男性と性行為をする男性については、根拠から結論は出せないとされました。詳しくはゲイ・バイセクシュアル男性のHIV感染リスクをご覧ください。
男性と女性の場合
計算ツールは、挿入される側には誰に対しても同じ1回あたりの数値を使います。HIV陽性で治療を受けていない男性とのアナルセックスで、女性が挿入される側の場合は1.4%(約72分の1)で、同じ相手との膣性交よりずっと高くなります。
米国でHIV陽性かどうかわからない男性とアナルセックスを1回し、女性が挿入される側だった場合の推定値は0.0024%(約42,000分の1)です。同じく米国で、HIV陽性かどうかわからない女性とのアナルセックスで男性が挿入する側だった場合は0.00019%(約530,000分の1)です。
リスクを下げるもの
- コンドーム:ときどきずれたり破れたりすることも含めて、実際の使用でリスクを約80%下げます。HIV陽性の相手とコンドームを使って挿入される側だった場合:0.28%(約360分の1)。
- PrEP:曝露前予防(PrEP)は、HIVに感染していない人が感染を防ぐために使う薬です。指示どおりに服用すると、アナルセックスによるリスクが約99%低下します。PrEPを規則的に服用していて、HIV陽性の相手と挿入される側だった場合:0.014%(約7,200分の1)。選択肢には、毎日飲む錠剤、男性と性行為をする男性の一部で使えるオンデマンドの錠剤、長時間作用型の注射薬があります。PrEPとPEPをご覧ください。
- 治療:HIV陽性の相手がウイルス量を検出限界値未満に保っていれば、性行為でHIVをうつすことはありません。U=U:検出されない=感染しないをご覧ください。
- 体内で射精しない:挿入する側が体内で射精しなかった場合、計算ツールは挿入される側の推定値を50%下げます。
リスクを上げるもの
- ほかの性感染症:梅毒、淋菌感染症、ヘルペスなどの感染症によるただれや炎症があると、HIVが体内に入りやすくなります。計算ツールは推定値を2倍にします。
- 最近の感染:HIVに感染してから最初の数週間はウイルス量がピークになり、多くの場合、本人はまだ感染に気づいていません。計算ツールは推定値を10倍に引き上げます。
今すべきこと
72時間以内に、コンドームなしのアナルセックスで挿入される側か挿入する側になりましたか?相手がHIV陽性で有効な治療を受けていない場合、または相手のHIVの状態がわからない場合は、今すぐ救急外来、急患診療所、または性感染症クリニックで曝露後予防(PEP)について相談してください。PEPは72時間以内に始める必要があり、できれば24時間以内が理想です。PEPの受け方
- 72時間以内であれば、まずPEPについて行動してください。検査結果を待たないでください。PEPは28日間、毎日服用します。
- ウインドウ期が終わってから検査を受けてください。核酸増幅検査(NAT)は10日目ごろからHIVを検出できます。抗原抗体検査(静脈採血)は、45日目以降の陰性結果が確定的です。PEPを服用した場合は、曝露から約4〜6週間後と12週間後にフォローアップ検査を受けることになります。週ごとのHIV検査の正確さをご覧ください。
- 性感染症の検査を受けてください。アナルセックスではほかの感染症がうつることもあり、性感染症があると次の機会のHIV感染リスクが高くなります。
- 今後に備えてください。コンドームなしでアナルセックスをする場合や、HIVの状態がわからない相手とする場合は、PrEPについて聞いてみる価値があります。PrEPは、自分でコントロールできる予防法です。