曝露から72時間以内ですか?相手がHIV陽性で有効な治療を受けていない場合、または相手のHIVの状態がわからない場合は、曝露後予防(PEP)で今からでも感染を防げる可能性があります。できれば24時間以内に、救急外来、急患診療所、または性感染症クリニックでPEPについて相談してください。PEPの受け方

1回でも感染することはありますが、たいていは感染しません

HIV感染リスクは1回あたりで測ります。以下の数値は、大規模な研究から得られた平均値です。これは、ある回数までは感染しない「安全な回数」があるという意味ではありません。1回目で感染することもあれば、何回行為を重ねても感染しないこともあります。ただ、どの1回をとっても、確率は小さいものです。

HIV陽性の相手との1回の行為のリスク

以下の推定値は、相手がHIV陽性で有効な治療を受けておらず、コンドーム、PrEP、PEPのいずれも使わなかった場合を想定しています。

  • アナルセックスで挿入される側:1.4%(約72分の1)
  • アナルセックスで挿入する側:0.11%(約910分の1)
  • 膣性交で挿入される側:0.08%(約1,200分の1)
  • 膣性交で挿入する側:0.04%(約2,500分の1)
  • オーラルセックス:0.01%(約10,000分の1)
  • 薬物を注射する際の注射針の共用:0.63%(約160分の1)
  • 針刺し事故:0.23%(約430分の1)

最もリスクが高いのは、アナルセックスで挿入される側と注射針の共用です。オーラルセックスのリスクはごくわずかです。キス、ハグ、食べ物や飲み物の共有にはリスクがありません。HIVは唾液、汗、涙ではうつらないためです。詳しくはHIVがうつらない接触をご覧ください。

相手のHIVの状態がわからないとき

1回だけの性行為の多くは、HIVの状態がわからない相手とのものです。その場合、リスクは2つのことで決まります。相手がHIV陽性である可能性と、その行為のリスクの大きさです。ほとんどの人はHIVに感染していないため、結果はたいてい上の数値よりはるかに低くなります。

次の表は、男性がHIVの状態がわからない女性とコンドームなしで1回膣性交をした場合の推定値を、国別に示したものです。

HIV陽性かどうかわからない相手との1回の曝露でHIVに感染する確率
国1回あたりのリスク確率
アメリカ合衆国<0.0001%1,500,000分の1
イギリス<0.0001%15,000,000分の1
ドイツ<0.0001%23,000,000分の1
ブラジル<0.0001%1,700,000分の1
インド<0.0001%4,200,000分の1
タイ<0.0001%1,700,000分の1
ナイジェリア0.00014%710,000分の1
ケニア0.0003%330,000分の1
南アフリカ0.0023%44,000分の1

女性がHIVの状態がわからない男性と膣性交をした場合の推定値は、米国では0.00014%(約730,000分の1)、南アフリカでは0.0023%(約44,000分の1)です。米国で男性がHIVの状態がわからない男性とのアナルセックスで挿入される側になった場合は、0.05%(約2,000分の1)です。これが高いのは、男性と性行為をする男性ではHIV陽性率が高いためです。

1回のリスクを上げるもの

  • 相手が最近感染した:感染してから最初の数週間はウイルス量がピークになり、多くの場合、本人はまだ感染に気づいていません。計算ツールでは、この場合に推定値を10倍に引き上げます。
  • ほかの性感染症:ただれや炎症があると、HIVが体内に入りやすくなります。計算ツールでは推定値を2倍にします。
  • 体内での射精:男性の相手が体内で射精しなかった場合、計算ツールは推定値を50%下げます。

リスクを下げるもの(ゼロになる場合も)

  • 治療:HIV陽性の相手がウイルス量を検出限界値未満に保っていれば、性行為でHIVをうつすことはありません。これが検出されない=感染しない(U=U)です。
  • コンドーム:実際の使用では、約80%の予防効果があります。破れたり外れたりした場合は、コンドームが破れたときをご覧ください。
  • PrEP:曝露前予防(PrEP)は、HIVに感染していない人が感染を防ぐために使う薬です。指示どおりに服用すると、性行為によるリスクがアナルセックスでは約99%、膣性交では約90%低下します。
  • PEP:72時間以内に始めれば、感染が成立するのを防げる可能性があります。

今すべきこと

  1. 72時間以内で、相手がHIV陽性か、相手のHIVの状態がわからない場合は、PEPを受けてください。症状や検査結果を待たないでください。PEPは28日間、毎日服用します。
  2. 72時間を過ぎている場合、PEPはもう推奨されません。適切な時期に検査を受けることに集中してください。
  3. ウインドウ期が終わってから検査を受けてください。抗原抗体検査(静脈採血)は18日目からHIVを検出でき、45日目以降の陰性結果は確定的です。核酸増幅検査(NAT)は10日目からHIVを検出できます。PEPを服用した場合は、曝露から約4〜6週間後と12週間後にフォローアップのHIV検査を受けることになります。詳しくは週ごとのHIV検査の正確さのガイドをご覧ください。
  4. 結果を待つ間は、ご自身を大切にしてください。1回の行為のあとに心配になるのはとてもよくあることで、数字を見ればたいてい安心できます。HIVへの不安と向き合うのページも参考になるかもしれません。