どのくらい時間がたったか、はっきりしませんか?まだ72時間未満の可能性が少しでもあれば、今すぐ救急外来または性感染症クリニックに行き、曝露後予防(PEP)について相談してください。経過した時間は、医師と一緒に確認してください。
曝露後予防(PEP)を始められる期限を過ぎても、HIVに感染しているということではありません。そもそも1回だけの曝露では、HIVに感染する確率はほとんどの場合低いものです。今大切なのは、適切な時期に検査を受けて、はっきりした答えを得ることです。
この段階でPEPにできないこと
PEPは、HIVが持続的な感染を成立させる前に食い止めることで効果を発揮します。始めるのが遅いほど、効果は小さくなります。計算ツールでは、PEPを24時間以内に始めた場合はリスクを約90%下げ、48〜72時間の間に始めた場合は約70%しか下げないと仮定しています。米国疾病予防管理センター(CDC)のガイドラインは、72時間を過ぎてからPEPを始めることを推奨するには根拠が不十分だとしています。
その代わりにCDCは、72時間を過ぎてから受診した人に、HIV検査、曝露前予防(PrEP:HIVを予防する薬)についての助言、フォローアップ検査の計画を推奨しています。
おそらく心配しているより低いリスク
相手がHIV陽性で治療を受けていない場合でも、膣性交で挿入される側になった1回の行為でHIVに感染する確率の推定値は0.08%(約1,200分の1)、アナルセックスで挿入される側では1.4%(約72分の1)です。相手のHIVの状態がわからない場合、数値は通常ずっと低くなります。たとえば米国では、HIV陽性かどうかわからない男性との膣性交で挿入される側になった1回の行為の推定値は0.00014%(約730,000分の1)です。
これらは推定値であり、診断ではありません。確実なことは検査でしかわかりません。
検査の計画
曝露の直後にHIVを検出できる検査はありません。どの検査にもウインドウ期があります。ウインドウ期とは、感染してから検査でHIVを検出できるようになるまでの期間です。
| 検査 | HIVを検出できる時期 | 陰性が確定する時期 |
|---|---|---|
| 核酸増幅検査(NAT/RNA) | 10日目 | 33日目 |
| 抗原抗体検査(第4世代、静脈採血) | 18日目 | 45日目 |
| 迅速抗原抗体検査(指先採血) | 18日目 | 90日目 |
| 抗体検査(ほとんどの迅速検査と自己検査) | 23日目 | 90日目 |
簡単な計画は次のとおりです。
- 今すぐ:今HIV検査を受けると、今回の曝露より前からHIVに感染していたかどうかがわかります。ここ数日のうちに起きた感染は否定できません。
- 45日目から(約6週間半):抗原抗体検査(静脈採血)は、曝露から45日目以降の陰性結果が確定的です。
- 迅速検査や自己検査を使う場合:迅速抗原抗体検査(指先採血)や抗体検査(ほとんどの迅速検査と自己検査が含まれます)は、90日目になってはじめて結果が確定的になります。その時点で再検査するか、検査機関での検査を受けてください。
- もっと早く結果を知りたいですか?核酸増幅検査(NAT)は10日目ごろからHIVを検出でき、33日目以降の結果は確定的です。受けられるかどうか、医療機関に確認してください。
ウインドウ期内の陰性結果は安心材料になりますが、確実にするためにウインドウ期が終わってから再検査してください。詳しくはウインドウ期と週ごとのHIV検査の正確さをご覧ください。
注意すべき症状
HIVに感染してから2〜4週間後に、発熱、発疹、のどの痛み、リンパ節の腫れ、口内炎などのインフルエンザのような症状が出る人もいます。まったく症状が出ない人も多くいます。かぜやほかのウイルス感染症でも同じような症状が出るため、症状でHIVに感染しているかどうかを判断することはできません。
曝露から数週間のうちにこうした症状が出た場合、CDCはHIV検査を受けることを勧めています。適切な検査を選んでもらえるよう、医療機関には曝露がいつだったかを伝えてください。HIVの初期症状もご覧ください。
結果を待つ間に
- 相手を守ってください。確定的な結果が出るまでは、コンドームを使うとHIVをうつすリスクを約80%下げられます。
- ほかの性感染症の検査も受けてください。性感染症はHIVと同時にうつることがあり、多くは治療できます。HIVとほかの性感染症をご覧ください。
- ご自身を大切にしてください。結果を待つのはつらいものです。不安で頭がいっぱいになっているときは、HIVへの不安と向き合うをお読みください。
今後に備えたPrEP
同じようなことがまた起こる可能性があるなら、PrEPで曝露の前から身を守れます。指示どおりに服用すると、HIV感染リスクがアナルセックスでは約99%、膣性交では約90%低下します。選択肢には、毎日飲む錠剤や長時間作用型の注射薬があります。服用を始める前にHIV検査で陰性を確認する必要があるため、上の検査の計画とうまく組み合わせられます。PrEP服用中のHIV感染リスクをお読みください。
今すべきこと
- 時間をもう一度確認してください。まだ72時間未満の可能性があれば、今すぐPEPを受けに行ってください。
- まず現時点でのHIV検査を受け、曝露から45日目に抗原抗体検査(静脈採血)を受ける予約をしてください。
- 症状が出たら行動してください。これから数週間のうちに発熱、発疹、のどの痛みが出たら、検査を受けるタイミングです。
- また曝露する可能性がある場合は、PrEPについて相談してください。